建築士法(抜粋)
建築士法(昭和25年法律第202号)
法の目的(第1条)
この法律は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正をはかり、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的とする。
次の用語は以下のように略して使用する。
法:建築士法
規則:建築士法施行規則
細則:建築士法施行細則
建築士でなければできない業務(法第3条~第3条の3)
建築物(応急仮設建築物を除く。)の
新築、増築、改築、大規模の修繕・模様替えの
- ①設計
- その者の責任において、設計図書(建築物の建築工事実施のために必要な図面及び仕様書)を作成すること。
- ②工事監理
- その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること。
建築士ができる他の業務(法第21条)
- ③建築工事契約に関する事務
- ④建築工事の指導監督
- 工事監理、建設業法上の施行管理又は現場監督でなく、建築工事について工事施工者に即した立場でなく、建築主の依頼により第三者的立場から指導監督することをいう。
- ⑤建築物に関する調査又は鑑定
-
構造、高さ、面積等の測定
敷地又は地盤調査・測量
耐震、防災避難、耐風、腐蝕、蟻害診断・調査
建築物の年代・寿命調査・判断
建築基準法第12条に基づく特殊建築物の調査
建築物の用途上の適正判断、利用価値の認定等 - ⑥建築に関する法令又は条例に基づく手続きの代理等の業務
- (例)建築基準法第6条に基づく確認申請、許可申請業務(建築基準法第三章や都市計画法関係)、各種届出(着工届、除却届、完了届、し尿浄化槽設置届等)等
建築士事務所の登録(法第23条)
建築士又は建築士を使用する者が他人の求めに応じ報酬を得て、設計等(上記①~⑥)を「業」として行おうとする(=反復継続)ときは、建築士事務所を定めて登録を受けなければなりません。
なお、建築士以外の者がその他の業務③~⑥を行うことは禁止されていませんが、建築士が③~⑥の業務だけでも「業」として行うには建築士事務所の登録が必要です。
管理建築士の配置(第24条)
建築士事務所の開設者は、一級・二級・木造の建築士事務所ごとに、それぞれの建築士事務所を管理する専任の一級・二級・木造建築士を置かなければなりません。
(※管理建築士は、建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括します。開設者と管理建築士が異なる場合には、技術的観点から業務が円滑かつ適正に行われるよう意見を述べる立場にあります。)
なお、平成20年11月28日の改正法施行により「建築士として3年以上の実務経験」を経た上で、「管理建築士講習を修了した者」でなければ管理建築士にはなれません。
<専任>とは?
- 専任とは、もっぱらその事務所に常勤し、通常の営業時間に執務している状態をいいます。
したがって、他の事務所とのかけ持ちや、会社員等他の職業を持つ人は専任の管理建築士にはなれません。 - 責任を明確にする上で、1事務所につき1人の管理建築士を配置してください。
- 事務所が業務を行っている間は、原則として事務所に常勤し、専ら事務所を管理することが必要です。(勤務時間中は当該事務所に勤務し得ること。)
- 雇用契約等により、事業主体と継続的な関係を有し、他と雇用関係がないことが必要です。
- 登録事務所以外で勤務を要するような業務はしてはいけません。
- 複数の事務所の管理建築士を兼任することはできません。
- 建設業における専任技術者、宅建業における宅地建物取引主任者との兼任については原則認められません。ただし、小規模業者の同一営業所内において、建築士事務所の業務上の監督を常に責任をもってなし得る場合には例外的に兼任が認めらます。(ただし、各々の法令上の専任性に支障がない範囲内。)
-
住所が事務所から遠距離にあり、社会通念上通勤困難な場合は認められません。
(住民票に加え、通勤定期の写し等の通勤実態が確認できる書類を提出していただくことがあります。
また、単身赴任者等、住民票と異なる居所の場合は、住民票の代わりに、アパートの契約書の写し等、居住の実態が確認できる書類を提出していただきます。)